秘密の話を少しだけ

もし自分がガラスの靴をもらったら、それを秘密に出来るかな

恋しい人の車

私の恋しい人は超絶運転が上手い。
本当に惚れ惚れするほど上手。

何が基準かって、助手席に乗ってるときの安心感。
狭い道、停めにくい駐車場平気。
どこに居ても「停められない」とか全く無く迎えに来てくれる。
雪道走行平気。
4台以上先まで周り見てる。
なにより、絶対短気起こさない。

そんな私はペーパードライバーなんだけど
人様の助手席に乗らせて頂いている身分でも充分分かる運転の上手さ。
なにより本人が
「車の運転大好き」
と、言っている。
お言葉に甘えて大変な距離を日帰りしてもらった事もあったな。

でも、自称上手い人がやる様な事はなんにもしない
急加速も、信号ギリギリ通過も、追い越し車線でビュンビュンとばすも、なんもしない。
普段は、ね。

ただ、私は知っている。
やらねばならんときは出来るって事。
出してもいい時は出すって事。
昔は走り屋でスポーツカー乗ってたこと。

そんな、恋しい人が
新しい車を買いました。
バリ高いスポーツカーです。
マニュアルの。

私と恋しい人は庶民なので、庶民にしてはバリ高い。
富裕層のセカンドカーにしては高額ではないと思います。

正直なにやってんの、お前
と、思いましたが
運転している横顔がそれはそれは本当に幸せそうで
楽しそうで
私は見ているだけで幸せで。

私は全く車に興味がないのに
あんまりにも幸せそうで楽しくて
乗せてもらって、ジロジロ見ちゃって
「エアロってなに?」
「今どこ踏んでるの?どのくらい?」
とか聞いちゃう始末。

いちいち全部答えてくれる。

高級車?らしいものに乗せられても
うんちく語られても
なんの興味もわかなかったのにね。

私、やっぱりあなたが好きなんだわ。
分不相応な買物って思ってごめんね。

その車、すごく似合ってる。